助成金申請の落とし穴-社労士が教える具体的な3つの注意点
2023/09/08
助成金は企業にとって貴重な資金調達方法の一つですが、申請の際には注意点がたくさんあります。特に初めての申請では落とし穴にはまってしまうことがあるかもしれません。そこで、社労士が具体的な注意点を解説します。本記事では、助成金申請において落とし穴に注意する3つのポイントをご紹介します。企業経営者や経理スタッフの方々は必見です。
目次
助成金申請の落とし穴-社労士が教える具体的な3つの注意点
助成金は、事業者にとって重要な財源の一つであり、人件費の軽減や設備投資の促進などに活用されます。しかしながら、助成金を申請する際には注意点があります。本記事では、社労士が教える、具体的な3つの注意点について述べます。
1.条件を正確に把握する
助成金を受けるためには、申請に必要な条件があります。例えば、従業員数や補助対象となる業種、あるいは正社員、契約社員、パートタイマーなどの労働者の区分や、その助成金が求めている新しい取り組みなどです。そのため、助成金を申請する前に正確に条件を把握することが必要です。当然ですが、条件を満たさない助成金申請を行っても、助成金が支給されることはありません。単に骨折り損のくたびれ儲けとなるだけです。
初めて助成金申請をお考えの方は、この助成金支給条件の把握に苦労されることと思います。分かりやすいパンフレットが用意されていることもありますが、国の予算成立のタイミングによってはパンフレット作成がずれ込み、秋になってやっと発表されることもあります。また、助成金の種類によってはパンフレットが作成されることはなく、「支給要領」「支給要綱」などの文字資料しかないこともあります。そしてこの文字資料が曲者です。役所の書類ですので専門用語がてんこ盛り。さらに文章一つ一つが長く、「但し~は除く」いうようなものが入り組んでいるため、結局この場合はどうなのかということが分かりにくく、解読に手間がかかります。
さらに年度が替わると、一部助成金制度が廃止されていたり、新しい助成金制度が創設されていたり、昨年からある助成金制度の条件が改正されていたりということが必ずあります。この改正についても確認は必須です。
2.必要な書類を用意する
助成金の申請には、様々な書類が必要となります。例えば、雇用契約書や就業規則、出勤簿や賃金台帳などです。そのため、助成金申請を計画するときから必要な書類を把握し、適切な書類を用意しておくことが重要です。また、書類に不備がある場合は、書類の再提出で済むこともありますが、その助成金申請の条件の中心となるものについては、条件を満たさないとして助成金支給が不可となることもあります。
3.申請期限に注意する
助成金の申請期限は、助成金の種類によって異なります。また、申請期限が過ぎると助成金の申請はできません。そのため、申請期限に十分な注意を払い、申請期限内に申請を行うよう心がけることが重要です。また、何か新しい制度を会社の就業規則に盛り込んだ場合などは、その制度の新規導入が助成金の条件になっているため、申請が間に合わない場合には二度と申請することができないということもあるため、十分な余裕を持って申請することが必要です。
以上、助成金申請における具体的な3つの注意点について述べました。助成金申請は、事業者にとって大切な資金調達の一つです。しっかりと注意点を把握しておくことで、申請の効率化や費用削減などにつながることが期待できます。